体に溜まった余分な糖でからだが“こげる”
誘惑の多い現代社会が老化を進める?
アンチエイジングの分野で最も注目されているキーワードの一つに「糖化」が挙げられます。
糖化は余分な糖がもたらす体の老化です。
現代の私たちの生活は豊かで暮らしやすくなった半面、
コンビニやスーパー、駅の食品売り場でも食欲を刺激する美味しそうな食べ物やお菓子、
飲み物であふれていますよね。
その上テレワークなども進み日常生活から運動習慣が遠ざかっている方も多いと思います。
このような生活が続くと、摂取された糖は十分に消費しきらず血中に余分な糖として溜まってしまいます。
これが糖化に繋がります。
糖化は老化を促進する原因として着目されている現象です。
様々な不調をもたらす活性酸素が「体のサビ」と言われているのに対し、
老化の原因とされる糖化は「体のコゲ」と揶揄されます。
健康・美容の大敵AGEs
それでは実際にからだの中で何が起こると糖化が進むということになるのでしょうか。
糖化とは通常の体の能力では処理しきれなかった余分な糖が体の中でたんぱく質と結びつき、
体温で加熱されることでたんぱく質が変性・劣化しAGEs(最終糖化産物)と呼ばれる
老化物質が生成される現象のことを言います。
タンパク質は言わずと知れたからだの構成要素で水分を覗くと体内に一番多く存在するものです。
皮膚や内臓、脳や血管、骨などからだのあらゆる部分を構成している要素もたんぱく質です。
タンパク質と結びつき一度生成されてしまったAGEsは、分解することも体外に排出することも難しく
体にどんどん蓄積してしまいます。
そして溜まったAGEsは蓄積した場所に悪影響を与えてしまいます。
肌への蓄積が進めばシワやたるみの原因になります。
またAGEs自体茶色っぽい色味をしているため、くすみやシミの原因にもなります。
血管に溜まれば動脈硬化を引き起こし心筋梗塞や脳梗塞のリスクを上げ、
骨に溜まれば骨粗しょう症の原因になります。
また脳に溜まるとアルツハイマーを引き起こすと言われていますし、目に蓄積すると白内障の要因になります。
ここに挙げたように体の糖化がもたらすAGEsの蓄積は、
たんぱく質で構成された私たちの体のいたる所に悪影響を及ぼし、
生活の質を著しく下げかねない症状へといざなう張本人と言えます。
血糖値を緩やかにあげる食生活が大事
健康維持の脅威となる糖化反応は、慢性的な高血糖状態が続きたんぱく質と糖の接触時間が長いほど進んでしまいます。
糖は体にとって大事なエネルギー源です。
なので私たちは米やパンなど糖質の高い食材を主食として毎日食べるわけですが、
加齢や不適切な生活習慣を続けることで代謝能力が落ちると、
本来消費されるはずの糖が体内ににそのまま残ってしまいます。
生活習慣を変えずに糖が溜まりやすい生活を続けると、
使い切れない糖が長い時間たんぱく質と接触してしまうので、
糖がたんぱく質にこびりつき最終的にAGEsになってしまい体に害を及ぼすのです。
このような不正常な老化を正常な老化に戻してあげることが健康な日常を手に入れるために求められます。
例えば食事シーンでは、急激な血糖値の上昇を抑えるために、食物繊維の多い野菜類やキノコを先に食べ、
その後肉や魚、卵などのたんぱく質を食べ、最後にごはんやパンのような糖質を食べるようにします。
食事スピードもガツガツ速く食べるより、よく噛んでゆっくり食べる方が望ましいです。
また血糖値を上げやすい食材と上げにくい食材を知っておくことも大事でしょう。
また朝食をしっかり摂ることも重要です。
朝食を抜くとその分体は低血糖状態になり、次回の食事の時に血糖値が急激に上がりやすい状態になってしまうためです。
あとは基礎代謝を上げるために適度な運動をしたり、十分な睡眠をとり体のリズムを整えることも大事です。
食習慣の改善とともに取り組みやすいところから取り組むことで、この先蓄積するAGEsを減らすことができます。